他のレジスター会社に先を越された話

その日、いつものように店舗に飛び込んで電子看板の紹介をしていた。

夕方だというのにその日のデモは1件しか取れておらず、その1件は次につながるような内容のデモではなかった。

ある整体院に飛び込んだところ、初老の男性の院長に「忙しいから相手をしていられないよ」と断られたのだけれど、断りの感覚が他と違っていた。

同じファールフライでも、バットの芯で捉えたときの感触と唯バットにボールが当たった感触が違うように、院長の断りの感触は悪くなかった。

何時頃なら暇になりそうかを訊いて、「1時間くらいしたらまた来ます」と言って院を出た。

そのあと夢中で商店街を歩いて店舗への飛び込みデモを2件取った。

値段が合わなかったり、商品を気にいってもらえなかったりして2件とも販売には至らなかった。

ふと整体院のことを思い出したが、約束の時間が過ぎていた。

上司のマネージャーが自ら飛び込んだ店舗で、来週のアポイントになっている案件があったので、整体院も来週訪問すればいいやと考えて、その日は訪問しなかった。

翌週、整体院に訪問してみると、前回と同じ初老の院長が奥から出てきて、こう言った。

「あれ、◯◯レジスターさんの別の人が昨日来てもう契約したよ」

同じレジスター会社は多数存在する。

同じ商品を扱い、同じような社名で(微妙に違う)、別の会社。

初めて訪問したのに「昨日も来たよ」と言われたり、話がまとまりそうな案件に訪問したら、少し前に別の◯◯レジスターと契約していたり、そういったことがたまにある。

そういうときは諦めるしかない。

次こそは自分が売るぞと思って、デモができる案件を歩き周って探している。

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